保育方針の紹介

地域共同体として伝承されてきた文化に基づく子育ての環境は、時代が移り、生活様式が変わったのと同じように変化してきました。そうした社会の中で保育園のありようも変化を求められ長時間保育、子育て支援など家庭支援に重点が置かれるようになりました。しかし、保育園がはたすべき役割、子どもたちの養護や援助といった本来の目的は見失われてはならないものです。

日々の保育活動にあたっては、子ども一人ひとりを大切にするため「子どもが人的、物的環境に主体的に関わり、環境の内在する遊びを子ども自らが見つけ出して工夫して、伝承する保育」を基本とします。こうした子ども主体の保育を援助し支え実現するためには「子どもと保育者が共に生活環境を創造する」事が大切です。

保育園は、子どもと親と保育者が共に生きる生活の場です。ここで生活する人は、互いがお互いの「生活者モデル」となります。遊びを中心に生活者としての役割・仕事、一年を意味あるものにする行事など子どもの生活を演出し、子どもが子どもらしく大人が大人らしく生きるための創意工夫が日々の保育に醸しだされることで子どもたちの心と身体に「生きる力」「創造する力」を蓄えたいと願っています。

「生きる力」「創造する力」を働かせるためには、一人ひとりが自分を発揮できなければなりません。自分を発揮するためには、人と人との関係も上手に作り上げなければなりません。「私は私。でも私は私たちの中の私」。自己を充分発揮しながら他と協調することができる、そうした調整能力を持った自我を育てることも、保育園の大切な使命であると考えます。


保育理念の紹介

社会福祉法人菊清会は、児童福祉法、児童の権利に関する条約などを踏まえ、

入所するすべての子どもの健全な育成のために次の保育理念を大切にします。

子どもと保育者が共に生活する中でより良い環境を創造する保育。

  • 子ども主体の保育

    • ・一人ひとりの主体性を大切にする保育。
    • ・子どもが人的、物的環境に関わり遊びを見つけ出し工夫しながら伝承する保育。
  • 生きる力、創造する力を蓄える。

    • ・遊びを中心とした日々の生活の中から、役割、仕事を持って関わる
    • ・一年を意味あるものにするために行事等で日々の保育で生活をすることができるよう創意工夫する。
  • 自己を十分発揮しながらも他と協調することができる自我を育てる。

    • ・個と個の軋轢を超え共に生活する中で、待つこと、譲ること、思いやることを体験する。
    • ・のびのびと自己を発揮することができるように自立を援助する。

保育目標の紹介

  • 命の尊重、心身の健康

    • 自己を大切にし人を大切にする気持ちを育てるため、生命あるものを尊重し大切にすることを保育の基本として、子どもの一人ひとりの心身の健康と情緒の安定を図る。
  • 自主と協調、道徳性

    • 子どもが自分をのびのびと発揮し、主体的に活動するためには、いつでも依存できる保育者を必要とします。依存は自立と対峙するものではなく、自立を援助し支えるものです。また、友だちと仲良く遊ぶためには、個と個の軋轢を超えて共に生活することが必要です。そうした関係性の中から、待つこと、譲ること、思いやることなど、道徳性につながる多くの経験を通じて、やがて自主と協調、「私は私であるけれども、私たちの中の私でもある」ことを学びます。
  • 感性と思考力

    • 保育室、園庭、プール、遊具、道具といった物的環境とまわりの子どもたちを中心とした人的環境に子どもたちが主体的に関わることにより、豊かな感性や思考力を生みます。安定した豊かな印象を子どもが受けとるためには、保育環境の構成と保育に創意工夫をして、子どもの豊かな表現と創造性を培います。